【開催報告】第4回日本プロセス化学会 東海地区フォーラムを開催しました
今回は、日本プロセス化学会の出前講義と静岡大学の授業を連携させた企画として実施し、18機関・団体から107名(学生85名、大学教員・企業研究者等22名)の皆様にご参加いただきました。
講演内容
講演1「分子骨格を“作り直す”化学」
山口 潤一郎 先生(早稲田大学 教授)
山口先生には、分子を構成する結合の切断と再形成によって分子骨格を組み替える、新しい有機合成化学の考え方をご紹介いただきました。
分子骨格そのものを変換するという発想は、従来の合成経路を見直し、医薬品や機能性材料の分子設計の可能性を広げるものです。有機合成化学の新たな展開について学ぶ貴重な機会となりました。
講演2「医薬品開発におけるプロセス研究と連続生産(フロー合成)技術の活用」
臼谷 弘次 氏(小野薬品工業株式会社)
臼谷先生には、医薬品開発におけるプロセス研究の役割と、連続生産(フロー合成)技術の活用についてご紹介いただきました。
研究室で開発された反応を実際の医薬品製造につなげるためには、安全性、品質、再現性、生産性などを総合的に考慮する必要があります。企業におけるプロセス開発の考え方を学ぶとともに、有機合成化学と化学工学の知識を実際の製造へ結び付けることの重要性を考える機会となりました。
大学教育との連携
今回は、静岡大学の授業と連携し、多くの学部学生が参加しました。
学生から提出されたレポートには、分子骨格変換という新しい合成の発想への関心や、医薬品の製造プロセスにおける安全性・効率・品質の重要性についての考察が見られました。
また、専門的な内容の理解に難しさを感じた学生もおり、実際の研究・製造の話題に触れることで、今後さらに学ぶべき課題を認識する機会にもなったと考えています。
「新しい反応を創り出すこと」と「その反応を安全かつ安定して製造に活用すること」の双方を学べたことは、今回の企画の大きな特徴でした。
情報交換会
講演会終了後には、講師の先生方やフォーラム幹事等17名による情報交換会を開催しました。
大学・企業の垣根を越え、研究やプロセス化学の今後について意見を交わす機会となりました。
謝辞
ご多忙の中、貴重なご講演をいただきました山口潤一郎先生、臼谷弘次先生に心より御礼申し上げます。
また、ご参加いただいた皆様、開催にご協力いただいた日本プロセス化学会事務局、東海地区フォーラム幹事の皆様、静岡大学グリーン科学技術研究所の関係者の皆様に深く感謝申し上げます。
今後も東海地区フォーラムでは、産学連携、若手人材の育成、研究者・技術者間の交流を通じて、プロセス化学の発展に貢献してまいります。
皆様の引き続きのご参加・ご協力をよろしくお願いいたします。
開催概要
- 日時:2026年10月15日(木)13:00~16:00
- 会場:静岡大学浜松キャンパス 総合棟24教室
- 主催:日本プロセス化学会 東海地区フォーラム
- 共催:静岡大学グリーン科学技術研究所
- 参加者:107名(18機関・団体)
開催世話人:間瀬 暢之(静岡大学)

