当フォーラムは、プロセス化学における次世代の人材を育成することを大きな目標としていることから、若手研究員ならびに院生・学生を対処としており、セミナーの内容は化学的な内容に偏ることなく、プロセス化学の基礎から先端技術まで、広範囲を対象としており、今回は67名(学生41、一般26)の参加で行われた。
今回のセミナーでは第一講目においては「受託合成におけるスケールアップ ~ mLからkLへ ~」と題して讃岐化学工業株式会社 内海 圭一郎先生にご講演いただいた。企業のプロセス開発の第一線で活躍されている貴重なご経験を紹介してくださった。モデルケースを用いて、企業で実際に行われているプロセス開発の流れを机上検討~秘密保持契約~見積~ラボ検討~プラント試作~納品と非常にわかりやすくご紹介され、スケールアップ時に発生する課題やその対策について具体的に紹介いただき非常に興味深い講演であった。
第二講目において「有機合成化学的アプローチで挑む免疫調節分子の創出と機能解析」と題して、徳島大学大学院薬学研究科 井貫 晋輔先生にご講演いただいた。先生の研究の目的は、創薬に資する機能性分子(ケミカルツール、医薬シーズ)の創出を行なうことである。本講演では、有機化学を用いた免疫調節分子の創出とその機能解析について、特に光触媒の活用に焦点を当てた研究が紹介された。光触媒に関しては、特に可視光応答性のものを活用して、生態関連分子の化学合成や免疫解析ツールの開発を進められている内容で非常に興味深いものであった。
日 時:2025年12月13日(土)
会 場:徳島文理大学薬学部(徳島キャンパス)24号館3階302教室
講 演:14時〜16時15分
1.内海 圭一郎 先生(讃岐化学工業(株))
「受託合成におけるスケールアップ ~ mLからkL へ ~」
座長 安芸 晋治(大塚製薬)
- 井貫 晋輔 先生(徳島大学大学院医歯薬学研究部 教授)
「有機化学的アプローチで挑む免疫調節分子の創出と機能解析」
座長 南川 典昭(徳島大学)
ポスター発表:16時30分〜18時
ポスター賞を題目「白金塩触媒を用いたグリコシル化反応の開発」を発表した川田真大(徳島文理大薬)さんに授与しました。
主催 日本プロセス化学会 東四国地区フォーラム(代表幹事 宍戸 宏造)
