佐治木前会長(現名誉会長)の後を引き継いで,2023年4月より日本プロセス化学会の会長を拝命いたしました。会員の皆様方のご協力のもと,日本プロセス化学会の発展に尽力してまいります。よろしくお願いいたします。
本会は,1999年12月に発足したプロセス化学研究会を前身に,主として製薬企業・中間体メーカーのプロセス化学のリーダーと大学関係者が中心となり,「プロセス化学の諸問題を討議」,「プロセス化学者のレベルアップと相互理解」,「プロセス化学の常識共有」を目的として,塩入孝之初代会長の下に2001年11月27日に創設されました。
その後,富岡清会長,さらには佐治木弘尚会長に引き継がれ,一貫して,既存の化学系学会等は異なり,企業研究者・技術者を中心にアカデミアの研究者が支援しつつ事業を展開する学会として,多くの会員の皆様に支えられ,活発な活動を続け,発展してまいりました。
本学会は,人と人とのふれあいを大事にして,サマーおよびウィンターシンポジウムでの討論,さらに夜の情報交換会での対面での熱のこもった情報交換が重要な役割を果たしてきました。しかし,この3年余りコロナ禍のために思うような企画を開催することが叶いませんでした。ようやくコロナも収束しつつあり,本年からはコロナ禍前に近い状態でシンポジウム等の行事が開催できる予定です。
本年は,2023年8月3日(木),4日(金)の2日間,タワーホール船堀で日本プロセス化学会「2023サマーシンポジウム」を開催いたします。アカデミアからの5演題,インダストリーからの5演題,計10演題の招待講演に加えて,「失敗から得るもの」と題した特別企画での4演題,さらには,一般ポスターセッション(オーラルショートプレゼンテーションも併用,日本プロセス化学会優秀賞の選考対象)が決定しています。また企業展示もコロナ禍前とほぼ同様に開催する予定です。是非とも多くの皆様方のご参加をお待ちしております。
理事会の執行部も一新し,田上克也(エーザイ),村瀬徳晃(大正製薬),赤井周司(阪大院薬)の3名の新任の副会長が就任し,理事23名,監事2名の体制で,日本プロセス化学会の理事会を運営していきます。理事会に加えて,若手中心の将来計画委員会の協力のもと,サマーシンポジウムおよびウィンターシンポジウムを開催・運営しています。さらに,北陸地区,東四国地区,東海地区の各地区フォーラムにおける各地区での講演会等の活動も活発に行なっています。また,合宿形式のプロセス化学ラウンジにつきましても大変好評を博していたことから,早い時期に復活する事を目指しています。 会員の皆様方のご意見を取り入れ,ますます魅力的な会になるよう,本会を発展させていきたいと考えております。会員の皆様方におかれましては,引き続きご協力賜りますよう,お願い申し上げます。
【秋山 隆彦会長の略歴】
1980年3月 東京大学理学部化学科卒業
1982年3月 東京大学大学院理学系研究科化学専攻修士課程修了
1985年3月 東京大学大学院理学系研究科化学専攻博士課程修了
1985年4月 塩野義製薬(株)研究所勤務
1988年7月 愛媛大学工学部資源化学科 助手
1992年4月-1993年3月 米国Stanford大学化学科博士研究員 (B. M. Trost教授)
1994年4月 学習院大学理学部化学科 助教授
1997年4月 学習院大学理学部化学科 教授
2018年4月-2022年3月 日本学術振興会学術システム研究センター 主任研究員
2017-2023年 日本プロセス化学会副会長
2021-2023年 有機合成化学協会会長
2009年 日本化学会学術賞
2009年 有機合成化学協会 第一三共・創薬有機化学賞
2012年 名古屋シルバーメダル
2016年 アメリカ化学会 Arthur C. Cope Scholar Award 2016年 Humboldt Research Award
2017年 有機合成化学協会賞 |